
検査では異常がないと言われたのに、胃もたれ感、むかつき、膨満感、胃の痛みなどの症状が続く場合、「機能性ディスペプシア」(機能性胃腸症)が疑われます。
原因としては、1)胃の動きが悪くなっている。2)胃が過敏になっている。
などが考えられます。
生活習慣の誘因としては、ストレス、過労、運動不足、不規則な生活、かたよった食生活、睡眠不足、お酒やコーヒーの飲み過ぎなどがあげられています。
「機能性ディスペプシア」には、症状によって次の2つのタイプがあります。
A. 食事に関連しておこるタイプ
食事の途中でおなかがいっぱいになる。食後に胃がもたれる感じがある。
B. 食事に関連しないタイプ
断続的な不快な胃の痛みがある。胃に灼熱感をともなう不快感がある。
これらは、ストレスによる消化管運動機能の低下や胃酸過多による内臓知覚過敏が原因となっており、消化管運動改善薬や胃酸分泌抑制剤などの適切な薬の処方が必要です。
また現在、日本人のピロリ菌感染率は、50歳代以上で5~6割といわれており、慢性胃炎の原因となっています。
そのため、ディスペプシア症状のかたには、ピロリ菌感染のチェックと専門医による内視鏡検査が推奨されています。
「ピロリ感染性胃炎」の場合は、ピロリ菌除菌療法による症状の緩和と胃がんリスクの低減が期待されています。